酒はほろ酔いかげんで止めておくのがよく、泥酔いになるまで飲むなどと無粋なことはすべきではない。
『菜根譚』の教えです。
花看半開、酒飲微酔。
花は半(なか)ば開くを看、酒は微かに酔うを飲む。
花は五分咲きを見、酒はほろ酔いを良しとす。
此中大有佳趣。
此の中に大いに佳趣(カシュ)あり
その中に最高の趣というものがある。
若至爛漫モウトウ、便成悪境矣。
若し爛漫(満開)モウトウ(泥酔い)に至らば、便(すなは)ち悪境(アクキョウ)を成す。
満開の花を眺め、泥酔いするまで飲んだのでは、何の趣きがあるものか。
履盈満者、宜思之。
盈満(エイマン)を履(ふ)む者、宜しくこれを思うべし。
満ち足りた世界に居る人は、この点をよく知って欲しいものだ。
明治18年(1885年)8月24日 は、酒をこよなく愛した歌人 若山牧水の誕生日です。
因んで『愛酒の日』です。
白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけれ
あな寂し酒のしずくを火に落とせこの薄暮(ゆうぐれ)の部屋匂はせむ
旅と酒を愛した若山牧水は、朝、昼、晩 と飲んでいたそうです。