【韋編】とは文字を書いた木札、竹札を木簡、竹簡といってましたが、それを韋(イ:なめしがわ)の紐で
綴じた、古代中国の書物のことを言います。
【三絶】は、三たび絶つ と読みまして、三度も切れると言う意味です。
【韋編三絶】は読書に熱心なあまり、綴じていた韋が三度も切れてしまった、と言う意味になりますが、冨谷 至著『四字熟語の中国史』(岩波新書)によりますと、韋で綴じられた木簡、竹簡は発見されておらず、韋は材質ではなく、経(たていと)に対する韋(よこいと)の意味で、「編んでいた横糸が何度も切れるほど熱心に書を読んだ」と言う意味である、と解説しています。私は納得しました。
この【韋編三絶】は『史記・孔子世家』を出典にしています。
「孔子、晩(バン)にして易(えき)を喜(この)み、序(ジョ)・彖(タン)・繋(ケイ)・象(ショウ)・説卦(セッカ)・文言(ブンゲン)あり。易を読むに韋編三たび絶つ」
「孔子は晩年、易を愛好し、序(ジョ)・彖(タン)・繋(ケイ)・象(ショウ)・説卦(セッカ)・文言(ブンゲン)の諸伝を整理した。易を熟読して、そのために、その竹簡を綴じていた韋の紐が三度切れた」
序(ジョ)・彖(タン)・繋(ケイ)・象(ショウ)・説卦(セッカ)・文言(ブンゲン)は「伝」と言いまして易の注釈書です。
【高校教科書ページ1割増】とのこと、韋偏三たび絶つほどに読みこまれますように。