【錦(にしき)を衣(き)て郷(キョウ)に還(かえ)る】と訓読みされまして、
成功して故郷に帰ることを表した四字熟語です。
同議の四字熟語に
衣錦栄帰:イキンエイキ
衣錦帰郷:イキンキキョウ
衣錦之栄:イキンのエイ
対義の四字熟語に
衣繍夜行:イシュウヤコウ があります。
こちらは、項羽が秦の都咸陽を攻略した時、ここに留まって都を置くように勧めたものがいたの
ですが、これに対して項羽が『成功して富貴な身分になっても故郷に帰らないのは
錦を着て夜歩くようなものである』と言ったという故事からです。
【衣錦還郷】は、『南史』劉之遴(リュウシリン)伝の故事です。
高祖謂曰
高祖謂いて曰く、
高祖が言いました、
卿母年德並高。
卿の母は、年徳並びに高し。
卿(ケイ:あなた)の母は、年齢も徳もともに高い。
故令卿衣錦還郷、
故に卿をして錦を衣て郷に還り、
だから、そなたに錦の着物を着せて故郷に帰らせ、
盡榮養之理。
栄養(美服・美食)の理を尽くさしめんと。
親に美服を着せ、美食を進め孝養を尽させたい