【大信は約せず】と訓読みされまして、本当の信頼関係というのは、あらかじめ約束をしなければ守られないというものではない。
言葉や文章で約束しなくても、保たれるのが本物の信頼関係です。
『礼記』學記篇に見られる四字熟語です。
君子曰 大德不官、大道不器、大信不約、大時不齊。
君子曰く、 大德は官せず、、大道は器(キ)ならず、大信は約せず、大時は齊(ひと)しからず。
君子が言うには、大人物には特別の才能が必要なく
大学者には特別の知識や技術が必要なく
信義の厚い人は誓約など必要なく
長い時間の中(の現象)は斉しいものではない。
察於此四者、可以有志於本矣。
此の四者を察(あきらか)にすれば、以て本に志す有る可(べ)し。
以上四例の意味を明らかにすることによって、(君子は)学問の根本を堅く立てなければと
覚悟するであろう。
三王之祭川也。
三王の川を祭るや。
(夏・殷・周)三代の王たちは、水を祭るにあたっては
皆先河而後海 或源也、或委也。
皆(みな)河(カ)を先にして海を後にす、或は源なり、或は委なり。
まず河川を祭り、その後に海を祭った。
これは一方が根源であり、他方は(末流の)集積であるからであって
此之謂務本。
此を之れ本を務むと謂ふ。
この祭のしかたこそ、根本を重んずるものというべきである。
昭和53年 (1978年)の8月12日、日本と中国の間で「平和友好条約」が調印され、10月23日に批准書が交されました。
自国の先人が残してくれた四書五経をよく学んで、信頼に足る国に早くなってほしいものです。