冬は暖かく、夏は涼しく、過ごせるように気を配り環境を整えて」、親孝行をすることのたとえです。
出典は、『礼記』曲礼(キョクライ)上篇です。
凡爲人子之禮、
凡(およ)そ人の子たるの礼、
およそ人の子たる者の(両親に仕える)礼として、
冬溫而夏凊、
冬は温(あたた)かにして夏は凊(すず)しくし、
冬には暖かく、夏には涼しく(過ごせるように)配慮し、
昏定而晨省。
昏(くれ)に定めて、晨(あした)に省(かへり)みる。
また、毎晩寝具の世話をきちんとし、毎朝ご機嫌を伺って(両親を)気遣う。
在醜夷不争。
醜夷(シュウイ)に在りて争わず。
そして、兄弟、朋友と争って父母に心配をかけるようなことをしない。
【溫】の字は、形声文字です。皿にのった器の中のものがあたためられた状態にあることを表しています。
【凊】の字は、【冫】+【靑】からできた形声文字です。 すずしい、寒い、の意味があります。
【冫】は氷を表しています。【凊】は常用漢字ではありませんので、音を表す【セイ】は
【靑】であって【青】ではありません。【月】ではなく【円】です。