【正鵠を失わず】と訓読みされまして、物事の要点や急所を正確にとらえること、を言います。
【正鵠】は弓の的の中心。【正】は、布製で中心に【正】と呼ばれていた鳥の絵を描いたもの。
【鵠】は、皮製で中心に【鵠】と呼ばれていた鳥の絵を描いたものでしたが、
物事のねらいどころ、急所、要点を表すようになりました。
『礼記』射義(シャギ)を出典とした四字熟語です。
孔子曰、射者、
孔子曰く、射る者は、
孔子が云いました。射る者は、
何以射、何以聽。
何を以てか射、何を以てか聽く。
どうして矢を引きながら音楽を聴くことが出来るのであろうか。
循聲而發、
聲に循(したが)ひて發し、
音楽の音に応じて矢を放つが、
發而不失正鵠者、
發して正鵠を失はざる者は、
放って的の真ん中を外さない者は、
其唯賢者乎。
其れ唯(ただ)賢者か。
定めし賢者であろう。