【六十にして耳（みみ）順（したが）う】と訓読みされまして、
人の云う事を素直に聞くことが出来るようになった、という意味です。
ただ、聞くだけじゃなく良いと思ったことを実行する。孔子は弟子たちにそう言ったはずです。

『論語』為政篇の言葉です。

　　子曰、
　　子曰く、
　　　　　孔子が云いました
　　吾十有五而志干學、
　　吾十有五にして学に志し、
　　　　　私は十五才の頃に学に志し
　　三十而立、
　　三十にして立ち、
　　　　　三十で学に対する自分なりの立場が確立した。
　　四十而不惑、
　　四十にして惑わず、
　　　　　四十で何事に対しても戸惑うことがなくなった。
　　五十而知天命、
　　五十にして天命を知り、
　　　　　五十で生涯の在り方を自覚し、
　　六十而耳順、
　　六十にして耳順い、
　　　　　六十で何を聞いても表裏や真相が自然に理解できるようになった。
　　七十而從心所欲、不踰矩。
　　七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。
　　　　　七十になってからは、思いのままに振る舞っても、道理を踏み外すことはなくなった。

いまの総理大臣は1954年〈昭和29年〉9月21日生まれの60歳です。
六十になったばかり。耳順は無理か、・・・・・　。

　　過（あやま）てば　則ち改むるに憚（はばか）ること勿かれ　　　　　　　　　　　『論語』学而
　　過ちて改めざる、是を過ちと謂う　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『論語』衞靈公
　　過つや人皆なこれを見る、更（あらた）むるや人皆なこれを仰（あお）ぐ　　　　　『論語』学而
　　過ちを弐（ふた）たびせず　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『論語』雍也