【酒は微醉を飲む】と訓読みされまして、酒はほろ酔いでやめるのがよい、と言ってます。
何事もほどほどでやめるのがよいと言うことだそうです。
『菜根譚:サイコンタン』後集122段にでています。
花看半開、【酒飲微醉】。
花は半(なか)ば開くを看(み)、酒は微(かす)かに酔うを飲む。
花は五分咲きを見、酒はほろ酔いぐらいに飲む。
此中大有佳趣。
此の中(うち)に大(おお)いに佳趣(カシュ)有り。
その中にこの上なく素晴らしいおもむきがある。
若至爛漫モウトウ、便成悪境矣。
若(も)し爛漫(ランマン)モウトウに至(いた)らば、便(すなわ)ち悪境(アクキョウ)を成す。
もし、花は満開を見、酒は泥酔するまで飲めば、その後はいやな雰囲気になってしまう。
履盈満者、宜思之。
盈満(エイマン)を履(ふ)む者(もの)、宜(よろ)しく之(これ)を思(おも)うべし。
絶頂期にある者は、よくよくこの点を考えるようにするとよいでしょう。
【モウトウ】は、泥酔い状態を表す擬態語です。【モウ】は酉+毛、【トウ】は酉+匋の字です。
『菜根譚』は、中国明代末期の洪自誠(コウジセイ)による随筆集です。前集222段、後集135段から構成されまして、前集は人の交わりを、後集は自然と閑居の楽しみを説いています。
中国ではあまり重んじられず、日本で人気のある書物です。
7月8日に行なわれた「仙台日本酒サミット」で、福島県蔵元が“ベスト3独占”の快挙を達成しました。