音楽や詩文などで、同じ技巧だが趣きが違うと言うことを表した四字熟語です。
見かけは違うようでも(異曲)、同じ手際(同工)であること。
見た目は違うようでも、内容は似たり寄ったりであること、などと言われています。
韓愈の『進学解』にでています。『進学解』は学問を進めるための解説という意味です。
子雲、相如、同工異曲。
子雲・相如の同工異曲なる。
「子雲」は前漢の揚雄(ヨウユウ:B.C.53年~B.C.18年)のことです。
『易経』を模して『太玄(タイゲン)経』、『論語』を模して『法言』を著わしました。
模擬の雄と呼ばれたようです。
「相如」は司馬相如(シバショウジョ:B.C.179年~B.C.117年)のことです。前漢の頃の文章家です。
『賦(フ)』の名人として知られ、武帝に仕え、その才能を高く評価されました。また妻である卓文君との恋愛も有名です。
いずれも先人の作品にならいつつ趣きが違う作品を成した人物と、とらえられています。