文字の形が似ていることから、書き誤りやすい字を並べた四字熟語です。
漢字の三要素として 形・音・義 があります。
【烏焉魯魚】は、そのうちの「字形」に注目して、注意を喚起させるための言葉です。
【烏】は、鳥の一点を欠いて、黒くて目の見分けがつかない鳥、カラスの意味を表した象形文字です。
【焉】は、黄色い鳥を表す象形文字と言われていますが、ハッキリしていません。
鳥の字形に間違いやすい例とされています。
【魯】は、曰+魚 から作られた会意文字です。儀礼を表す字として作られ、喜び、幸いが原義でしたが
後「おろか」にも使われました。
魚の字形に間違いやすい例とされています。
【魚】は、「さかな」の形から作られた象形文字です。
他にも四字熟語の形で誤りやすい字を並べたものがいくつかあります。
【魯魚亥豕:ロギョガイシ】
【亥】は、イノシシの象形文字です。
【豕】は、これもイノシシの象形文字です。
相互に類似していることから、誤用されやすい例とされていました。
【魯魚章草:ロギョショウソウ】
【章】は、象形文字です。入れ墨をするときに使う針の先に墨だまりのある形が文字化されました。
【草】は、艹+早(音符号) から作られた形声文字で、「くさ」の意味です。
章・草、相互に類似していることから、誤用されやすい例とされていました。
【魯魚陶陰:ロギョトウイン】
【陶】は、阝+匋(トウ:音符号) から作られた形声文字で、「やきもの」の意味です。
他に「やしなう」という意味で、陶冶(トウヤ。育て上げる)、陶酔(トウスイ。うっとりすること)、
鬱陶(ウットウ。心がふさがる)のようにも使われます。
【陰】は、阝+侌(イン:音符号) から作られた形声文字で、「かげ」の意味です。
陶・陰、相互に類似していることから、誤用されやすい例とされていました。