【至誠は息むこと無し】と訓読みされまして、この上ない【誠の心】をもって生涯を貫きなさい、と言う意味です。
大学・論語・孟子・中庸を四書といいまして儒学の教科書です。
『中庸』は四書の中でも最後に読むものとされています。
簡単に言いますと、誠実な気持ちで中庸の道を歩め、と言うことかなと理解しています。
【至誠は息むこと無し】は中庸にでている言葉です。
故至誠無息。不息則久、
故に至誠は息むことなし。息まざれば則ち久しく、
そこで、完全な誠のはたらきは止まるときが無い。止まるときがなければ長く続き、
久則徴、徴則悠遠、
久しければ則ち徴(しるし)あり、徴あれば則ち悠遠なり、
長く続けばその効果があらわれる、その効果があらわれるとはるか遠くまでゆきわたる、
悠遠則博厚、
悠遠なれば則ち博厚(ハクコウ)、
はるか遠くまでゆきわたると、それはひろびろとして厚く行なわれる
博厚則高明。博厚所以載物也。
博厚なれば則ち高明なり。博厚は物を載(の)する所以なり。
ひろびろとして厚く行なわれると、それは高々として高明にあふれて行なわれる。
博厚であることは、万物をその上に載(の)せるはたらきである。
高明所以覆物也。悠久所以成物也。
高明は物を覆(おお)う所以なり。悠久は物を成す所以なり。
高明であることは万物をおおう(大空の)はたらきであ。
悠久であることは万物を成り立たせる(天地の)はたらきである。
博厚配地、高明配天、悠久無疆。
博厚は地に配し、高明は天に配し、悠久は疆(かぎ)りなし。
博厚であることは大地のはたらきと一致することであり
高明であることは大空のはたらきと一致することであり
悠久であることは無限無窮ということである。
『中庸』は四書の中で、一番難解とされています。