家族が集まって、睦(むつ)まじく談笑することを表す四字熟語です。
【一家団欒】と、まとまった形では見当たりません。
類義の四字熟語として、【家族団欒】、【親子団欒】があります。
【団】の旧字は團で、囗の中は專です。專はふくろの中にものを入れて、丸い形とする意味を表す
字です。その外にさらに円形(囗)を加えて、まるいという意味を表します。
【欒】の字は木+䜌(ラン)の形声文字で、「おうち」というセンダン科の落葉高木を表す字です。
派生的に、まどか、まるい、あつ・まる等々の意味が生まれました。
【団欒】という言葉は南宋の詩人陸游(リクユウ:1125~1210)の「冬日」という詩に出てきます。
笑ふに堪(た)へたり、此の翁の幽獨(ユウドク)に慣るるを、
笑っちゃうよな、この爺さん。 ひとり身に慣れちゃって
卻(かへ)って嫌(いと)ふ、兒女(ジジョ)團欒(ダンラン)を話するを
かえってイヤなんだって、子供たちが仲良く話するのが。
陸游は小さい時から愛国的抗戦思想を植え付けられ、政府の対外政策に不満を抱いていました。そのため何度も免職の憂き目を味わっていました。【団欒】など出来る状況ではなかったようです。ですから、子供たちが【団欒】しているようすは、羨ましかったのでしょう。
「わしゃあ、一人で結構。団欒なんか ・・・・。」とおどけてみせたのでしょう。
最近、家族のなかでの不幸な事故や事件がいくつか報道されています。
【一家団欒】や【家族団欒】、【親子団欒】を享受なさっていらっしゃる方は、幸せです。大切になさって下さい。
2012・3・20 記