毎朝毎晩、朝な夕な と言う意味です。
【朝朝】は、毎朝、朝な朝な です。【暮暮】は、毎夕、夕な夕な です。
【朝朝暮暮】は、【朝】【暮】をそれぞれ重ねて強調しています。
『文選:モンゼン』宋玉(ソウギョク)の「高唐賦」序のなかに、男女の情愛を描いた場面があります。
そのなかでの四字熟語です。
昔、楚の襄王が、宋玉と雲夢沢の楼台に遊んだことがありました。高殿を望みますと、
その上には雲気があり、いろいろに変化して極まることがない。
襄王が宋玉に「これは何の気か」と尋ねると、宋玉は「朝雲というものです」と答えます。
また襄王が「朝雲とは何か」と聞きますと、宋玉はこう答えました。
昔、先王(襄王の父:懐王のこと)が高唐に遊ばれました時、昼寝をなさり、その夢に一人の婦人が
現れていうには、
私は巫山の女でございます。いま高唐に滞在しております。王様が高唐に遊ばれると伺い、寝所に
侍りたいと存じます。そこで王はこの女を寵愛されました。辞去する時に女が申しますことには、
妾在巫山之陽高丘之阻、
妾(ショウ)は巫山の陽(みなみ)、高丘(コウキュウ)の阻(ソ)に在り
私は巫山の南、高い丘陵の険しい所におり、
旦爲朝雲、暮爲行雨、
旦(あした)には朝雲と為(な)り、暮(く)れには行雨(コウウ)と為(な)り、
朝は朝雲となり、暮れには雨となり、
朝朝暮暮、陽臺之下、
【朝朝暮暮】、陽台(ヨウダイ)の下(もと)にあり、と。
朝な夕な楼台のもとに参りましょう
旦朝視之如言、
旦朝(タンチョウ)に之(これ)を視(み)れば言(ゲン)の如し。
翌朝、巫山の方を見ますと、言葉通り雲が湧いておりました。
故爲立廟、號曰朝雲。
故(ゆゑ)に為に廟(ビョウ)を立て、号して朝雲と曰ふ、と。
そこで彼女のために廟を建てられ、朝雲と名付けられたのです、と。
同義の四字熟語として
【巫山之夢:フザンのゆめ】、 【雲雨巫山:ウンウフザン】、
【巫山雲雨:フザンウンウ】、【朝雲暮雨:チョウウンボウ】
があります。