昨日に引き続き今日も寒そうです。向寒の折、ご自愛のほどを。とはチト早いですが時候の挨拶です。寒く厳しい季節に於いても、松や柏(中国では日本のかしわではなく檜に似た常緑樹だそうです)はいつまでも緑を保っています。 常緑樹なら当然だろう、などと開き直らないで下さい。 これを例えに『論語』では、「子曰く、歳(とし)寒(さむ)くして、然(しか)る後に松柏の凋(しぼ)むに後(おく)るるを知る」となっていまして、逆境にあっても節操や志を変えない立派な人になりなさい、とお弟子さん達に話をしていたようです。古来このような立派な人はいなかったのでしょう。いればこんな例え話をする必要ありませんから。
『論語』の文中 「然(しか)る後に松柏の凋(しぼ)むに後(おく)る」とありますが、これは松や柏が、他の木々より遅れて凋む、と文字通りの解釈だけではなく、実は凋まないんですよ、志を曲げることはありません、というところまでを読まないといけないそうです。
似たような四字熟語に「雪中松柏(セッチュウショウハク)」 「疾風勁草(シップウケイソウ)」があります。
「雪中松柏(セッチュウショウハク)」 は南宋の謝枋得(シャホウトク):『初めて建寧(ケンネイ)に到りて詩を賦す』 にあります。
「疾風勁草(シップウケイソウ)」 は後漢の劉秀(リュウシュウ)が顔なじみの王覇(オウハ)に言った言葉として『後漢書・王覇伝』に載っています。