その時代で最も優れた人物、英雄のことを言います。
【一世】は、その時代、【雄】は、英雄のこと。
【一世之雄】は、北宋の蘇軾 (ソショク:1037年~1101年) の『前赤壁賦』にでている四字熟語です。
『前赤壁賦』は、政争のため都を追われ黄州 (湖北省) に流されていた蘇軾が揚子江の赤壁に遊んだときのありさまを記したもので、蘇軾45歳のときの作です。長い詩ですので【一世之雄】がでているところを抜き書きしました。
方其破荊州下江陵順流而東也
其の荊州(ケイシュウ)を破り、江陵(コウリョウ)より下り、
流れに順(したが)ひて東するに方(あた)りては、
(まさにここは曹操が)荊州を破り、江陵から長江を船で下り、東に進撃した時には
舳艫千里旌旗蔽空
舳艫(ジクロ)千里、旌旗(セイキ)空を蔽(おお)ふ。
船を連ねること千里、艦隊の旗さしものは空一面を覆うほどであった。
釃酒臨江横槊賦詩
酒を釃(した)みて江(こう)に臨(のぞ)み、槊(ほこ)を横たへて詩を賦す。
(曹操は)酒を酌みながら長江に臨んでは、
(戦いを目前にして)槊(ほこ)を小脇にかかえて詩を作った。
固一世之雄也而今安在哉
固(まこと)に一世の雄(ゆう)なり。而(しか)るに今安(いず)くに在りや。
まさに一台の英雄です。ところがその男、曹操は今はどこにいったのだろうか。
昭和27年 (1952年) 5月19日、
ボクシング世界フライ級タイトルマッチで挑戦者の白井義男が判定勝ちし、
日本人初の世界チャンピオンになりました。