源(みなもと)を開き流れを節す、と訓読みします。
財源を新たに開拓して、支出を節約することを言います。またそのような健全な財政を行うことを言った四字熟語です。
『荀子・富国篇第十』に出ている四字熟語です。
『荀子』は荀子(ジュンシ:B.C.313~B.C.238)本人あるいは弟子たちの言行を著述したものです。荀子は戦国時代末期の儒学者で、斉の国で活動し、のち楚の春申君(シュンシンクン)に仕えました。孔子の学を伝え、礼を重んじ、孟子の「性善説」に対して「性悪説」を唱えました。韓非子(カンピシ)や李斯(リシ)は荀子の門下生です。
『荀子・富国篇』は当時の時代背景を基に法律を明確にして、節用(国として倹約に努めること)を行い、人民を富(ゆたか)にさせるのが富国であると記載しています。
国の強弱・貧富を見る項目がいくつか述べられていて、【開源節流】に務めると国が富になると説いてます。その項目は、今の日本を見直す基準になりそうです。
荀子の指摘 今の日本
① 為政者は国民を愛しているか・・・・・・・・・・社会福祉・年金が国民の為になっているか
② 為政者は信頼されているか・・・・・・・・・・・国民に隠し事をしてないか
③ 為政者は税を重くしていないか・・・・・・・・・消費税の増税は本当に必要なのか
④ 役人が多すぎないか・・・・・・・・・・・・・・公務員改革がなされているか
⑤ 働かない商工者がいないか・・・・・・・・・・・失業率が高いのは何故か
他にもまだありますが、2200年ほど前の中国古典に書かれていたことです。
【開源節流】の開源は、財源を開くと言う意味ですから、今の日本に当てはめますと、経済を発展させるということではないでしょうか。節流は、無駄をはぶき支出に優先順位をつけることだと思います。
荀子に学ぶと、多分 中(あた)らずと雖(いえど)も遠からずで、こんなところじゃないでしょうか。
2012・3・19記