腸が断ち切れるばかりの、激しい悲しみや苦しみを表す四字熟語です。
同じ意味で、母猿(ボエン)腸を断つと、訓読みされる四字熟語【母猿断腸:ボエンダンチョウ】もあります。
出典は『世説新語』という書籍です。
『世説新語』は南朝宋の劉義慶(リュウギケイ)の著で、後漢から東晋までの貴族や文人達の逸話を集めた書籍です。徳行・言語・政事等の36篇から成り立っていまして、当時の時代風潮を物語る話が多く取り入れられています。
【断腸之思】、【母猿断腸】は『世説新語』の黜免(チュツメン:官職をやめさせてしりぞけること)第二十八に出ています。
東晋の桓温(カンオン)が蜀に攻め入り、三峡(長江の上流の渓谷)までやってくると、部隊の中に子猿を捕まえた者がいました。その母猿が岸を伝いながら悲しげに叫び、百里あまり行っても、まだ追いかけてきました。
とうとう船に跳びこんでくると、そのまま息が絶えてしまいました。
その腹を裂いて見ると、腸(はらわた)がずたずたにちぎれていたそうです。桓温は、これを聞くと怒って、子猿を捕らえた者を罷免してしまいました。
2012年3月11日(日)現在
東日本大震災において亡くなられた方、いまだ行方不明の方
岩手県 亡くなられた方 4671 名 行方不明の方 1249 名
宮城県 〃 9512 名 〃 1688 名
福島県 〃 1605 名 〃 214 名
だそうです。