「学を曲げ、世に阿(おもね)る」と読みます。学問の真理を、都合よくねじ曲げ、世俗に阿って人気を得ようとすることを表す四字熟語です。
「曲学」とは、学問の真理を曲げ、さも真理であるかのように解き明かすことです。
「阿世」とは、世におもねる、世間に気に入られようとすることです。
出典は『史記・儒霖(ジュリン)外伝』です。
前漢の最盛期、武帝(前漢第7代皇帝:B.C.156~B.C.87)は、広く人材を求めました。
高齢ではありましたが名声のあった 轅固生(エンコセイ) を登用しました。
同時に同郷の公孫弘(コウソンコウ) という若い学者も登用されました。
轅固生が公孫弘に言いました
「今、学問の道が乱れ、俗説が流行している。放置すれば、由緒ある学問の伝統は、姿を失うかもしれない。君は幸いに若いし、好学の士と聞く。どうか正しい学問を勉強し、世に弘めてくれたまえ。決して自己の信ずる学説を曲げ、世に阿ることのないように、自分が正しいと思うことを言いなさい。」
これが【曲学阿世】の言葉の起こりです。
初めのうちは、この老いぼれめが・・・・と思っていた若い公孫弘も、節を曲げない轅固生の立派な人格と学識に打たれ、恥じ入り無礼を詫び、轅固生に弟子入りしたそうです。
第二次大戦後の1950年、当時の吉田茂首相が東大総長の全面講和論を【曲学阿世】と非難したことで、この言葉は一躍有名になりました。
原発は安全です。
などと言っている「原発御用学者」達はレッキとした【曲学阿世】の輩ではないでしょうか。
責任は重いものがあります。