自分の好きなように、みだらな行ないをすることです。
【放蕩】は、ホウ(hou)-トウ(tou)で、語尾(ウ)を共通にもった畳韻(ジョウイン)の擬態語で、
ほしいままにふるまうことを表わす熟語です。
【淫乱】は、イン(in)-ラン(ran)で、語尾(ン)を共通にもった畳韻(ジョウイン)の擬態語で、
みだらな行ないをほしいままにし性的に乱れていることを表わす熟語です。
【放蕩淫乱】は『学問のすすめ』第八篇にでています。
『女大学』という書に、「婦人に三従の道あり。稚(おさな)き時は父母に従ひ、嫁(よめ)いる時は
夫に従ひ、老いては子に従ふべし」と言えり。
稚き時に父母に従うは尤(もっと)もなれども、嫁(よめ)いりて
後に夫に従うとはいかにしてこれに従うことなるや、その従ふさまを問はざるべからず。
『女大学』の文によれば、亭主は酒を飲み、女郎に耽(ふけ)り、妻をののしり子を叱りて、放蕩淫乱を
尽くすも、婦人はこれに従い、この淫夫(いんぷ)を天のごとく敬い尊み、顔色を和らげ、悦ばしき言葉
にてこれを意見すべしとのみありて、その先の始末をば記さず。
男尊女卑の悪習について述べているところの抜粋です。
三従については『女大学』には出ていないそうで、福沢諭吉の記憶違いのようです。
貝原益軒の書には出ているそうです。