ものすごい怒りで髪の毛が逆立つことを表わした四字熟語です。【上指:ジョウシ】は、上を指す、という意味です。
『史記』項羽本紀、鴻門の会での一場面です。
噲(カイ)遂に入り、帷(とばり)を披(ひら)きて西嚮(セイキョウ)して立ち、
目を瞋(いか)らして項王を視る。
樊噲(ハンカイ)は入り、とばりを開いて西向きに立ち、怒りの目で項羽を見た。
頭髪(トウハツ)上指(ジョウシ)し、目眥(モクシ)尽(ことごと)く裂(さ)く。
髪は逆立ち、まなじりはことごとく裂けているようだった。
項王剣を按(アン)じて跪(ひざまず)きて曰く、
項羽は剣の柄に手をかけ、ひざを付き、構えて言った、
客何為(す)る者ぞ、と。
何者だ。
張良曰く、
張良が答えた、
沛公の参乗(サンジョウ)、樊噲といふ者なり、と。
沛公の参乗、樊噲という者です。
項王曰はく、
項羽は言った、
壮士なり、之に卮酒を賜へ、と。
勇士だなぁ。この者に大杯の酒を与えよ。
則ち斗(ト)卮酒(シシュ)を与ふ。
そこで樊會に一斗入りの酒が与えられた。
【頭髪上指】と同義の四字熟語です。
【怒髪衝天】:ドハツショウテン
【怒髪衝冠】:ドハツショウカン
【怒髪指冠】:ドハツシカン
チュニジアの件といい、イエメンの件といい、【頭髪上指】どころではありません。