春になって寒さがぶり返し、肌寒く感じられるさま。
「春寒(シュンカン)」は春になってぶりかえした寒さのことです。
「料峭(リョウショウ)」の「料」は肌をなで触れる意味、「峭」は厳しい意味で、「料峭」は春風の肌寒いようすを表します。
中唐の詩人張謂(チョウイ:721~780?)の「杜侍御(トジギョ)、貢物(コウブツ)を送る。戯れに送る」と題した七言律詩の六句目に
孤舟江上畏春寒 孤舟 江上に春の寒きを畏(おそ)る
ただ一艘の船に乗って川に浮かびながら、春なお寒い川風をおそれることもあろう。
盛唐の詩人杜甫(トホ:712~770)の「孔巣父(コウソウホ)が病を謝して江東に帰遊(キユウ)するを送り、兼ねて李白に呈す」と題した七言古詩(七言×18句)の六句目に
春寒夜陰風景暮 春寒夜陰(シュンカンヤイン)風景暮(く)る
春とはいえ余寒のなお残る季節、野原はかげって、風物は暮色に包まれることであろう。
「春寒」、「料峭」ともに春の季語です。
春寒し水田の上根なし草 河東碧青桐
肌寒いなんてもんじゃありません、雪ですよ、雪。