他から束縛されること無く、自分の思いに従って活動することを表わした四字熟語です。
【羈】は、罒(网 あみの意味)+革+馬 から作られた会意文字です。馬の頭にかぶせる革製のあみ、
「おもがい」の意味を表わします。
【不羈:フキ】はつながれていない。束縛されない。という意味になります。このことから、学識・才能が
すぐれていて、普通では制御しきれないほど非凡であることも表します。「不羈の才」と言われます。
福沢諭吉の『学問のすすめ』第十篇に2カ所もでています。
最初の部分です。
今の学者、何を目的として学問に従事するや。【不覊独立】の大義を求むるといひ、自主自由の
権義を恢復するといふにあらずや。すでに自由独立といふうときは、その字義の中におのづからまた
義務の考へなかるべからず。
2カ所目です。
これによりて考ふれば、今の学者たる者は、決して尋常学校の教育をもって満足すべからず、
その志を高遠にして学術の真面目に達し、【不覊独立】もって他人に依頼せず、あるいは同志の
朋友なくば、一人にてこの日本国を維持するの気力を養ひ、もって世のために尽くさざるべからず。
『学問のすすめ』は、実学を身につけ日本国の独立独歩を、国民一人一人が目指せ。と言っているようです。