錐(きり)で股(もも)を刺したり、縄で首が締まるようにして、眠気を覚ますことを表わした言葉です。
そうまでして勉学に励んだエピソードです。
【刺股】は、股に錐を刺して、痛みで眠気が覚めるようにすることです。
戦国時代の遊説家蘇秦(ソシン)にまつわる故事です。『戦国策』秦策にでています。
蘇秦、読書欲睡、
蘇秦、書を読みて睡(ねむ)らんと欲すれば、
蘇秦は、読書をしていて眠気を催すと、
引錐自刺其股、血流至足
錐を引きて自ら其の股を刺して、血流れて足に至る。
錐を股に刺して眠気を覚ましました。足にまで血が流れました。
【懸梁】は、縄を首にまいて、その縄を梁に懸け、眠くなって首が垂れてくると首がしまって眠気が覚めるようにした方法です。『蒙求』上、孫敬閉戸(ソンケイヘイコ)にでています。
孫敬字文寳。常閉戸讀書。
孫敬(ソンケイ)、字は文寳(ブンポウ)、常に戸を閉じて書を読み、
孫敬、字は文寳、常に戸を閉じて書物を読み、
睡則以繩繋頸。懸之梁上。
睡(スイ)してば則ち縄を以て頸(くび)に繋(か )け、之を梁上(リョウジョウ)に懸(か)く。
眠くなると縄を首にかけ、これをはりの上にかけた(そうして眠気を覚まして)勉学に励みました。
この方法はチョット危ないですよね。
3月は受験シーズン。受験生の皆さん風邪など引きませんように。