堅固な鎧とするどい兵器をそなえた、協力な軍隊をいいます。
孟子の時代のことですが、
仁政を布くことによって【堅甲利兵】の軍隊をも打ち破ることが出来る。
と言う話です。
出典は『孟子』粱恵王上です。
梁の恵王がいわれた。
わしの国はかつて天下無敵であった。なのに、わしの代になってからは、領地を失い、屈辱を受け、
わしは恥ずかしくてならぬ。どうかわしの眼の黒いうちに、恥をすすぎたい。
どうしたらよいものだろう。
孟子は答えて言った。
王が仁政を施し、刑罰を軽くし、税を低くし、農作業を奨励すること。
そして空いた時間を使って、孝・悌・忠・信・の徳目を学ばせる。
家の中では父と兄に仕え、家の外では目上の者に仕えさせる。
これだけのことをなすならば、一旦ことあるときにには(武器などなくて)ただの棍棒だけでも、
堅固な甲冑(よろいかぶと)・鋭利な武器で身を固めた軍隊をもうちひしぐことが出来ましょう。
仁政を施す王が進んで彼らを撃つ。そのとき、王に敵対できる者などどこにいるでしょうか。
だから『仁者は無敵』と言うのです。
いま風に理解するのでしたら、
政治・経済・教育を充実させることによって、天下無敵になれる、とでもいうところでしょうか。