風が吹き雨が降って、ひえびえとした様子を表わした四字熟語です。
【凄凄:セイセイ】は、①ひえびえとしたさま、②さびしく、いたましいさま、
③悲しみ恨むさま。を表わします。
【風雨凄凄】は『詩経』鄭風(テイフウ)篇の「風雨」と題して、女性が男性に会えた喜びを歌った詩のなかにでてきます。
この詩の中で【風雨凄凄】は、出会いの予感を含んだ情緒的な自然現象と理解しなければいけないそうです。
風雨淒淒、雞鳴喈喈。
風雨(フウウ)は淒淒(セイセイ)たり、雞鳴(ケイメイ)は喈喈(カイカイ)たり。
風吹き雨はザーザーと降り、鷄はコココと鳴いている。
既見君子、云胡不夷。
既に君子に見(あ)へり、云胡(いかん)ぞ夷(たいら)かざらん。
こうやってあなたに会えました。私の心は安らぎます。
風雨瀟瀟、雞鳴膠膠。
風雨は瀟瀟(ショウショウ)たり、雞鳴は膠膠(コウコウ)たり。
風吹き雨はサーサーと降り、鷄はクククと鳴いている。
既見君子、云胡不瘳
既に君子に見へり、云胡ぞ瘳(い)へざらん
こうやってあなたに会えました。私の心は癒えました。
風雨如晦、雞鳴不已。
風雨にして晦(くら)し、雞鳴は已(や)まず。
風雨に降りこめられた薄暗闇に、鷄が鳴きつづける。
既見君子、云胡不喜。
既に君子に見へり、云胡ぞ喜ばざらん。
こうやってあなたに会えました。私の心は喜びに満ちるのです。