濃くてうまい酒と、肥ののった美味しい肉で贅沢な料理のことを言います。
『韓非子』揚搉(ヨウカク)篇にでているのですが、ただ単に美味しいご馳走をいっているのではありません。
天有大命,人有大命。
天に大命(タイメイ)有り,人に大命有り。
天には自然の大きな法則があり、人にも人としての大きな決まりごとがある。
夫香美脆味,厚酒肥肉,甘口而疾形。
夫(そ)れ香美脆味(コウミゼイミ)、厚酒肥肉(コウシュヒニク)は、
口に甘(うま)きも形を疾(や)ましめ。
そもそも香りのよいやわらかな食べ物や、濃い酒、脂ののった肉は、
口にうまくても体には毒である。
曼理皓齿,说情而捐精。
曼理皓齿(まんりこうし)は情を説(よろこ)ばすも精を捐(す)つ。
膚の美しい白い歯の美人は、情欲を満たしてくれても精力はすり減らされる。
故去甚去泰,身乃无害。
故に甚(ジン)を去り泰(タイ)を去らば,身乃(すなわ)ち害なし。
だから(大きな決まりごとに従って)何事にもはめをはずした行き過ぎをしなければ、身体も
害を受けることはないのだ。
このあと国を治めるには、臣下を適材適所に用いることが大切であると結ばれています。