耳が鋭敏で、よく音を聞き分けることを譬えた四字熟語です。
【師曠:シコウ】は、人の名前です。春秋時代の晋の楽師で、音楽に精通し音をよく聞きわけ、事の吉凶をも判断できたそうです。
『孟子』離婁(リロウ)章句上にでているお話です。
孟子曰、離婁之明、公輸子之巧、
孟子曰く、離婁の明(メイ)、公輸子(コウユシ)の巧(コウ)、
離婁のようにいくら人並みすぐれた視力があっても、
また公輸子のようにいくら手先が器用でも、
不以規矩、不能成方員、
規矩(キク)を以(もち)いざれば、方員を成すこと能(あた)わず。
規(コンパス)や矩(定規)がなくては、四角形や円形を正確に書くことはできない。
師曠之聡、不以六律、不能正五音、
師曠(シコウ)の聡も、六律(リクリツ)を以(もち)いざれば、
五音(ゴイン)を正すこと、能(あた)わず。
師曠のようにいくら耳の発達した人でも、六律の調節笛を使わなければ、
五つの音階(ド、レ、ミ、ソ、ラ。中国の基本音階)を正しく出すことはできない。
堯舜之道、不以仁政、不能平治天下、
堯舜の道も、仁政を以(もち)いざれば、天下を平治すること能(あた)わず。
これと同じことで、いかに堯舜の道を心得た人でも、仁愛の政治によって行なわなければ、
天下を泰平に治めることはできない。
1756年1月27日、作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがオーストリアのザルツブルクに生まれました。