一度に惜しげもなく大金を使うことのたとえです。
【擲:テキ】は、「なげう・つ」の意味があります。【乾坤一擲:ケンコンイッテキ】にも使われています。
「打擲」は、人をぶつ、なぐるという意味を表わす熟語です。
読みは『チョウチャク』で、呉音読みとなります。
呉象之(ゴショウシ)の『少年行』と題する七言絶句の転句に
【一擲千金すべて是れ胆】としてでています。
一度に大金を賭けてしまうような太っ腹、という意味になります。
承恩借獵小平津
恩を承けて借猟(シャリョウ)す 小平津(ショウヘイシン)
恩寵を蒙って、小平津あたりで猟をしたり、
使氣常遊中貴人
気を使って常に遊ぶ 中貴人(チュウキジン)
日ごろ意気も高らかに、宮中の貴人と付き合っている。
一擲千金渾是膽
一擲千金 渾(す)べてこれ胆(タン)
一度に千金を投げ出す太っ腹
家無四壁不知貧
家に四壁(シヘキ)なきも貧(ヒン)を知らず
四方の壁は無けれども、貧しいなどとは思っても見ない。
【一擲千金】は、誰でも出来る訳ではありません。
資金力のある大金持ちでなければダメです。
でもチャンスさえ巡ってくれば誰にでも可能なのが【一攫千金:イッカクセンキン】です。