【積惡の家には必ず餘(余)殃有り】を略した四字熟語で、悪いことを積み重ねていると、その禍(わざわい)が子孫にまで及ぶ、ということを表わした言葉です。
『易経』にでていますが、表現は違っています。
積善之家必有餘慶
積善(セキゼン)の家には必ず餘慶(ヨケイ)あり。
善行を積み重ねた家では、その報いとして幸せが必ず子孫に及ぶし
積不善之家必有餘殃
積不善の家には必ず餘殃(ヨオウ)あり。
不善を積み重ねた家では、その災禍(サイカ)が必ず子孫に及ぶ。
【余】は、把手(とって)のついた長い針の形を表わす字として作られました。音は「ヨ」です。
「われ」を表わす言葉と音が類似していることから、「余」が「われ」という意味で使われるようになりました。仮借という用法です。
「あまる」という言葉は、音が「ヨ」でした。食(意味)+余(音)から【餘】という字が「あまる」を表わす文字として作られました。形声文字です。
その後【余】が【餘】の俗字として通用しました。
【余】に「あまる・あまり」と「われ」の意味がある謂れです。
【殃】は、歹+央 から作られた形声文字です。呉音:オウ、漢音:ヨウ で意味は「わざわい」です。