享楽に溺れてはいけない、ということを戒めた四字熟語です。
むだに遊び楽しむのは、鴆毒を呷(あお)って自殺を図る様なものだ。
【宴】は、やすんずる、たのしむ、【安】は、やすんずる、おだやか、
【宴安】は、のんびり遊び暮らす、気楽にくつろぐ などの意味となります。
【鴆毒】は、鴆という鳥の羽根を浸した酒で、この酒は人を殺す猛毒があるそうです。
鴆という鳥は、蝮(まむし)を食べてその毒を体内に蓄え、その羽を酒に浸すと激毒を
得るとされました。その毒酒を酖といい、飲めば即死し、その巢の下数十歩の間は、
草も生えないとか。その毒を解くには、犀の角が有効なんだそうです。
『春秋左氏伝』閔公元年の出来事を記載した中に出ている四字熟語です。
狄(テキ)の国が邢(ケイ)を攻めました。
邢から救援要請の手紙が齊の国に届いたので、管仲は齊公(桓公)に進言しました。
戎狄(ジュウテキ)は豺狼(サイロウ)のやからです。
欲にはきりがありません。諸夏(古代中国のこと)の諸侯(邢のこと)は親近の人達、見棄てては
なりません
宴安鴆毒,不可懷也
宴安は酖毒なり、懷(おも)う可(べ)からざるなり。
安佚は酖毒のたぐい、恋恋(レンレン)としてはなりません。
齊は邢を救援しました。