【氾(ひろ)く愛し兼(か)ね利(り)す】と訓読みされまして、人々をひろく愛し、平等に利益を分かち合って、戦争に反対しました。
というのが、原文に忠実に訳した文章になります。
四字熟語には後続の【非鬥:鬪(たたか)いを非(ひ)とす】が抜けています。
原文を掲示します。『荘子』天下篇の一節です。
墨子氾愛兼利而非鬥。
墨子は、氾(ひろ)く愛し兼(か)ね利(り)して、鬪(たたか)いを非(ひ)とす。
墨子は、人々をひろく愛し、平等に利益をわかちあって、戦争に反対した。
其道不怒。
其の道は怒(いか)らず。
その方法は他人に向かって腹を立てないことであった。
又好學而博不異、不與先王同、
又た學を好んで不異を博め、先王と同ぜずして、
又た学問を好んで、分析的ではない立場をひろめ、先王の道には同調しないで、
毀古之禮樂。
古の禮樂を毀(そし)る。
古代の儀礼や雅楽を排斥しました。
墨子(ボクシ)の思想は、『兼愛』です。
『兼愛』は人を区別なく広く愛することです。