結婚適齢期になっても相手のいない男と女を言います。
また、配偶者と死別、生別した男女のことも言います。
【怨】は、夘+心 から作られた形声文字です。意味は「うら・む」です。
【怨女】は、①婚期を失って結婚できず悲しみ嘆く女性。
②夫を失って悲しみ嘆く女性。寡婦。
③出征・旅行などで夫のいない留守を守ってさびしく暮らす女性。
④君主や夫の愛を失って悲しむ女性。
などの意味があります。
【曠】は、廣+日 から作られた形声文字です。意味は「むな・しい」です。
【曠夫】は、男やもめ。壮年で妻のない男性、の意味があります。
【怨女曠夫】は『孟子』梁惠王(ケイオウ)章句に出ています。
齊の宣王(在位:紀元前319年~紀元前301年)が自分の「色好み」の性格が政治によからぬ影響を及ぼすのではないか、と心配して孟子に尋ねる場面があります。孟子の答の中に【怨女曠夫】がでてきます。
當是詩也、
是の時に當(あた)りては、
だからこの当時、(古公亶甫:ココウタンポの頃)
内無怨女、
内に(エンジョ)無く、
家の内には婚期を逸して夫のいないのを怨みなげく女もなければ、
外無曠夫、
外に曠夫(コウフ)無し。
家の外には年頃になっても妻がなくて、ひとりものの男はいませんでした。
王如好色與百姓同之、
王如(も)し色を好むも、百姓と之を同(とも)にせば、
王がもし色を好まれても、人民と一緒になさるお心がけなら、
於王何有。
王たるに於(おい)て何の(不可かこれ)有らん。。
天下の王となるのに何の差支えがございましょう。
古公亶甫が夫人を愛して、正しい夫婦のあり方を示されたことを例にだして説明した場面です。