【体を霑(う霑るお)し、足に塗(ぬ)る】と訓読みされまして、体を濡(ぬ)らし足を泥塗れにしながら、田畑で野良仕事をすることを表わします。
『国語』齊語に、管仲が齊の桓公に国政の改革を献策する場面があります。そのなかで士農工商それぞれの役割を説明しています。農民について説明する時に【霑体塗足】が用いられています。
衣を脱ぎ功に就(つ)き、首(こうべ)に茅蒲(ボウホ:すげ笠)を戴き
着物をぬいで働き、頭にはすげ笠をかぶり、
身に襏襫(ハッセキ:みの)を衣(き)、
身にはみのをつけ
體を霑(うるほ)し足に塗り、
体はぬれ、足は泥まみれになって
其の髮膚(ハップ)を暴(さら)し、
髮や肌を日にさらし、
其の四支の敏を盡(つく)して、
手足の力を尽くして
以て田野に從事す。
野良仕事をします。