強い意志をもって決断力があり、物欲に屈せず、純朴で口数が少ないことを言います。
『論語』に出てくる言葉ですが、「剛毅木訥、仁に近し」となっています。
【剛】は、岡と刀 を組み合せた会意文字です。岡は鋳型を表わしている字です。鋳込んだあと刀で
取り出す形が【剛】です。 意志が強く、物欲に屈しない、ことを表わします。
【毅】は、豙+殳 から作られた会意文字です。
豙は、針を刺された(なぜ?)いのししが毛を逆立てて怒っている状態です。
殳は、打つの意味です。
結局怒るの意味を表わし、変化して強く決断するの意味になったようです。気性が強く、果断。
【木:朴】は、すなおで、かざりけがないこと、と同じで、質朴で飾りのないことを表わします。
【訥】は、言+内:から作られた形声文字です。言葉が口の中に入って出てこない、ということから口下手の
意味になったようです。言葉の下手なこと、を言います。。
「仁」は孔子の主要テーマで、お弟子さんの理解度に合わせていろいろな形で「仁」を説明しています。その一つがこの「剛毅木訥、仁に近し」です。
「剛毅木訥」は、仁そのものではないけれど、仁に近いものである、といってます。
これの反対バージョンが、今日の四字熟語 No.51 の 「巧言令色、鮮(すく)なし仁」です。
高倉健さんが亡くなりました。
『今日四字』から【剛毅木訥】を送らせて頂きます。いろいろ調べましたが、この言葉以外にありません。
平成24年1月17日にNo.59で【剛毅木訥】は既出です。敢て再出させて頂きます。
孔子が言ってます、【剛毅木訥】の者は、直ちに『仁:人への思いやり』とは言えないかもしれないが、極めて仁に近いものである。
お付き合いのあった方々のコメントをTVで拝見しました。『人への思いやり』そのものでした。
高倉健さん、お見事な人生でした。