男女の契りのたとえです。
楚の宋玉(ソウギョク)の作と言われている『高唐賦:コウトウフ』によるお話です。
昔先王、高唐に遊び怠りて昼寝ぬ。夢に一婦人を見るに、自ら云う。
昔、先王の懐王が高唐の館で遊ばれたとき、疲れてしばらく昼寝をしました。
夢に一婦人を見るに、自ら云う。
懐王の夢の中に一人の女性が現れてこういいました。
我は帝の季女にして、名を瑤姫と曰う。
私は天帝の末娘で瑤姫(ヨウキ)と言います。
未だ行がずして亡じ、巫山の台に封ぜられる。
嫁ぐこともなく命を落としてしまい、巫山に祭られております。
精魂は草となり、実は霊芝と為る。
魂は草となり、身は霊芝となりました。
王の来たり遊ぶを聞き、
今、王が高唐に遊びに来ていらっしゃると聞いて(訪ねて参りました。)
願わくは枕席を薦めん』と。
どうぞ枕をともにさせてくださいませ。
王因りて之を幸す。
王はそこでその女と情を交わされたのです。
去らんとして乃(すなは)ち言う、
やがて帰るとき、女はこう言いました。
妾は巫山の陽(みなみ)、高丘の岨(ソ)に在り。
『私は巫山の南の険しい崖のところに住んでおります。
旦(あした)には朝雲と為り、暮には行雨と為りて、
朝は雲になり、夕暮れには雨になって
朝朝暮暮、陽台の下におらん』と。」
朝な夕な陽台の下(あなたのそば)におります。
10月30日は『初恋の日』だそうです。
島崎藤村ゆかりの宿である長野県小諸市の中棚荘(なかだなそう)が制定しました。
まだあげ初めし 前髪の
林檎のもとに 見えしとき
前にさしたる 花櫛の
花ある君と 思いけり