急所を捕えて戒めることを表わした四字熟語です。痛いところをつく、と言う意味でもあります。
【頂門一針】は、【頂門一鍼】が初出でした。
鍼術に頂門に針を刺す治療法があり、頭頂の急所に針を刺すことから、人の急所を痛烈に戒めることをいいます。
【頂門】は、頭のてっぺんのことです。
北宋の蘇軾(ソショク)が戦国時代の思想家・荀卿(ジュンケイ)に対して、
荀子は、聖人の教えと違った意見や、実行ができないことを述べて満足している。
と『荀卿論』で断じました。
それに対し、明の文学者である、王遵巌(オウジュンゲン)が
蘇軾『荀卿論』には「異説高論の四字を以て立安す、まことに是れ荀卿頂門の一鍼なり」
蘇軾の『荀卿論』で「変わった説、高遠な議論」であると論じているのは、
荀子に対する急所を押さえた鋭い批評である。
といって、いいところを突いているという意味で評しています。