仁(人への思いやり)と義(人の踏み行うべき正しい道)を安らかな家と整然とした道に譬えた言葉です
【自暴自棄】という四字熟語の、反対の意味というか本質を言わんとした四字熟語です。
『仁』という「人への思いやり」の気持ちは、住み心地のよい家に譬えられ、
『義』という「人の道」は、整然とした道に譬える。
という『孟子』離婁(リロウ)篇にあることばです。
孟子が言いました。
自分から自分を駄目にしてヤケクソになっている人間とは、いっしょに語ることはできない。
自分から自分を諦めてステバチになっている人間とは、いっしょに仕事は出来ない。
口を開けば、礼儀などはと非難するようなものを自暴(ヤケクソ)といい、
自分などにはとても仁義<道徳)を行なう資格はありませんよというようなものを
自棄(ステバチ)という。
【自暴自棄】についての孟子の思いを言ってから、仁とは、義とはこういうものですヨ、と述べてます。
仁人之安宅也、義人之正路也、。
仁は人の安宅なり、義は人の正路なり。
仁は人の最も安心して住める家であり、義は人の通るべき正しい道である。
曠安宅而弗居、
安宅を曠(むな)しくして居(お)らず、
ところが彼ら自暴・自棄の人間はこの安全な家を空っぽにして住まず、
舎正路而不由、
正路を舎(す)てて由(よ)らず。
また、正しい道を捨てて通らぬとは、
哀哉。
哀しいかな。
さてさて情けないことではないか。
国政にたずさわる人間は、それなりの資質を持っていなければいけないと思います。