鷄の鳴き声と犬の鳴き声があちこちに聞こえる、平和な田園風景を表わす四字熟語です。
老子の説いた理想の国は、『小国寡民』です。
大昔のことだから、現代には当てはまらないと考えたくなりますが、老子の生きていたと思われる時代は、春秋戦国の時代でした。
地球上戦乱の無くなることはありません。
地球が平和な国々の集まりであれば、ノーベル平和賞は必要がありません。
老子80章に【雞犬相聞】がでています。部分的に抜き書きしました。
小国寡民、什伯(ジュウハク)の器あるも用いざらしむ。民をして死を重んじて遠く徙(うつ)らざらしむ。
国は小さくし、住民は少なくする。便利な道具があっても用いないようにさせる。
住民には命を大切にさせ、移住しないようにさせる。
甲兵ありといえども、これを陳(つらぬ)るところなし。
鎧や武器があっても使うことはない。
人をしてまた縄を結びてこれを用い、その食を甘しとし、その服を美とし、その居に安んじ、
その俗を楽しましむ。
住民には昔ながらの素朴な暮らしを送らせ、自分たちの食べ物をうまいとし、
自分たちの衣服をいいものとし、自分たちの住まいに安んじ、
自分たちの習慣を楽しいとする。
隣国相望み、雞犬の声相聞こゆるも、民は老死に至るまで相往来せず。
(そんな暮らしを楽しんでいるので、)
隣の国がすぐ近くに見えて、その鶏や犬の鳴き声が聞こえてきても
住民は老いて死ぬまで、お互いの国を行き来することはない。
これこそ人の世の理想郷である。
10月12日の新聞の見出し
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