夫の言うことに妻が従う意から、妻が夫に從うことによって、夫婦が和合することを意味しています。男女平等という考え方からすると、間違っているという御意見もあるようです。
中国、周時代の秦の伝説的な思想家である尹喜(インキ)が著した(と言われている)『関尹子:カンイシ』にでています。
『関尹子』と言いますのは、函谷関(カンコクカン)を守る役人の尹喜が書いたからということらしいのですが、実際には、唐・五代頃の偽作とする説が有力のようです。
神仙思想の色彩が濃い、本のようです。
天下之理、
天下の道理である
夫者唱。婦者随。
夫が言い出して、妻が後に従い
牡者馳。牝者逐。
牡が走って、牝が追い、
雄者鳴。雌者応。
雄が鳴いて、雌が答えるというのは、
是以聖人制言行。而賢人拘之。
それで聖人は言葉や行動を整えたが、賢人はこれに拘(こだわ)る。
『夫唱婦随』についての詳しい話は別にしまして、初出は『関尹子』のようです。