決して裏切らない固い約束のたとえ。一度約束した以上は必ず守らなければならないという戒めを表す四字熟語でもあります。類義語として【一諾千金】があります。
【季布一諾】、略して【季諾(キダク)】とは、「確かに承知する」ことの意に用いられています。
季布(キフ)は前漢(B.C.202~A.D.8)初期の侠客でした。もとは楚の人で項羽に将軍として仕え、劉邦を散々に苦しめました。
項羽が敗れると、高祖(劉邦)は千金の賞金をかけて季布を捜させました。
だが彼を知る者はあえて彼を売るようなことをせず、そればかりか、高祖に取りなしてくれました。
赦されて郎中となり、次の恵帝のときには中郎将(チュウロウショウ:近衛兵をつかさどる官)となりました。
『史記・季布欒布(ランプ)列伝』に、命をかけて「信」をつらぬく数々のエピソードが記述されています。
そのエピソードに裏打ちされて、季布は当時の人々から
『黄金百斤を得るも、季布の一諾を得るに如かず』
黄金百斤を得るよりも、季布の「承知しました」の一言を得た方がよい。
とまで言われていたそうです。
でもこれを曲解して
『金はいらない、季布将軍の「承知しました」の一言があればいい』
とするのは間違いです。
おそらく、「承知しました」と企業年金から運用を請け負ったのでしょう。
でも、「企業年金1900億円消失」に対してどう責任を取るのでしょう。
【季布一諾】の精神が一欠けらでもあったなら ・・・・・ と思いました。