普通の言葉として「中庸」を説明しますと、
どちらにも偏らない、また極端に行き過ぎたり、不足であったりすることのない考え方、行動をいいます。
儒学で【中庸】となりますと、四書(『大学』・『論語』・『孟子』・『中庸』)の一つであります『中庸』を読まないと分かりません。
『中庸』は、四書を読む順でも一番最後に読むことになっているように、高い境地にある哲学書と言われていますので、本当に【中庸】を理解するのは、大変です。
【中庸】の徳は「誠」に基づいてこそ、完成される。
などとも言われます。やっぱり『中庸』を読まないと分からないみたいです。
論語にでてくる【中庸】です。
子曰、中庸之爲徳也、其至矣乎。
子曰く、中庸の徳たるや、其れ至れるかな。
孔子が言いました、中庸の徳というものは、人として至高のものである。
民鮮久矣。
民鮮(すくな)きこと久し。
この徳が人々の間で廃れてしまってから久しくなる。
(残念なことだ)
孔子の時で、この状態だったんですね。
【中庸】は南宋の朱熹(シュキ)によって新しく復活しました。
『大学』、『中庸』は朱熹によって四書とされたものです。