長年に渡って、一心不乱に努力することを表す四字熟語です。
達磨大師(5世紀後半~6世紀前半)が中国の嵩山(スウザン)少林寺で九年間、座禪をして悟りを開いたと言われる故事に基づいています。
景徳伝灯録(ケイトクデントウロク:1004年)の菩提達磨篇に
嵩山の少林寺に寓止(グウシ:止宿)し、面壁して坐す。
終日黙然(モクゼン)たり。
常に端坐(たんざ:正座)して牀に面し
誨励(カイレイ:おしえ)を聞くことなし。
という記載があります。
また、宋時代の公案集である、從容録(ショウヨウロク:1223年)には
ついに江(コウ)を渡って少林に至り、面壁九年。
という記載がありまして、【面壁九年】とハッキリ書かれています。
【面壁九年】もさることながら、もっとすごい話があります。
禪宗第二祖となった慧可(エカ:487年~593年)が達磨大師に教えを乞うが、【面壁九年】のため相手にしてくれないため、思い余って自分の腕を切断して、求道の気持ちが本物であることを示したとか。
【慧可断臂:エカダンピ】の四字熟語が残されています。
1977(昭和52)年、通算ホームラン数の世界最高記録を作った王貞治さんが、
日本初の国民栄誉賞を受賞しました。
9月5日は『国民栄誉賞の日』です。
人知れずの努力による偉業なればこそと思います。