穀物が豊かに実ること。「五穀」は主食となる穀物で、諸説ありますが米・麦・粟(あわ)・豆・黍(きび)をいいます。「五」は陰陽五行説からです。「豊穣」は穀物が豊かに実ることですが、「穣」だけでも穀物が豊かに実ると言う意味があります。「豊」を付けて更にもっと、と強調してるんでしょう。 同じ「ホウジョウ」でも「豊饒」となると穀物に限らず豊かに多いという意味になります。 「五穀豊穣」は、「家内安全」「商売繁盛」と同じように、祈願の言葉としての意味もあります。
今日11月23日は「勤労感謝の日」です。そもそも日本には、昔から神々に五穀の豊穣を願う風習がありました。収穫された農作物は国の大事な蓄えです。ですから収穫された穀物に感謝する大事な行事として、新嘗祭(にいなめさい、シンジョウサイ)という神祭りが行われていました。日本書紀で皇極(こうぎょく)天皇元年(642)の11月16日に新嘗祭が行われた、というのが文献の初出のようです。この日が干支(えと)で言うと丁卯(テイボウ・ひのとう)で11月の2回目の卯の日にあたっていました。新嘗祭は旧暦11月の2回目の卯の日に行われると言うことがこの時代すでに確立していたようです。
1873年に導入された太陽暦(グレゴリオ暦)では、新嘗祭が翌年1月になってしまいます、それじゃ意味ないじゃんと言うことから、新暦11月の2回目の卯の日に行うこととしたそうです。それが1873年(太陽暦導入初年)では11月23日になることから、翌年以降この日に固定して「新嘗祭」行われるようになりましたトサ、目出度し、メデタシと戦前までは、そうでした。ところが第二次世界大戦後、日本がまだ米軍の占領下にあった1948年、占領軍は国家神道と結びついた新嘗祭を危険視してました。そこで米国の Labor Day(勤労者の日) と Thanksgiving Day(感謝の日) を併せた Labor Thanksgiving Dayという祝日を考案し、これを和訳して「勤労感謝の日」とするよう押しつけてきました。 これが今に続いているのです。
今日11月23日「勤労感謝の日」はこんな歴史を持った日だったんです。
今年福島は原発事故とその風評被害で「五穀豊穣」がめっちゃくちゃにされてしまいました。
「責任者出てこい! 責任とれ!!」と思うのは、私だけではないはずです。