【兎(うさぎ)死して狗(いぬ)烹(に)らる】と訓読みされます。
兎が死んでしまえば、それを捕らえるのに用いられた猟犬は不必要となって、最悪、煮て喰われてしまうという意味の四字熟語です。
大変な時に活躍した大臣・武将は、一旦ことが落ち着くと、用が無いとして殺されてしまうか、お払い箱にされてしまう、という例えに使われる言葉です。
また、後には広く、利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえとしても使われます。
類似の四字熟語に
【狡兔走狗:コウトソウク】
【狡兔良狗:コウトリョウク】
【鳥尽弓蔵:チョウジンキュウゾウ】
などがあります。
中国古典のいくつかに形を変えて記載があります。
『韓非子』内儲説(ナイチョゼイ)では、越王句踐が呉王夫差を破った時、呉の宰相嚭(ヒ)が越の大夫種(ショウ)にあてた手紙の中の言葉として記載されました。
狡兔尽くれば則ち良狗烹(に)られ、敵国滅べば則ち謀臣亡ぶ
『史記』越世家篇では、呉の滅亡の後、越を去った范蠡(越の謀臣)が大夫種に宛てた手紙の中で
蜚鳥(ヒチョウ)尽きて良弓蔵(おさ)められ、狡兔死して走狗(ソウク)烹らる
として記載されています。
『史記』では、さらに漢王朝の建国に功績のあった韓信が、謀反を疑われて高祖劉邦に捕えられた時に言った言葉として、上記呉越戦争の故事を踏まえて次の記載があります。
果たして昔の諺どおりであった。
すばしこい兎が死ぬと、良い猟犬は煮て喰われ【狡兔良狗】、
高く飛ぶ鳥が獲り尽されると、良い弓はしまい込まれ【鳥尽弓蔵】、
敵対する国がなくなると、謀臣はころされる。
今週3日、内閣改造とか。
国を良くすることが出来ない連中の中で、盥回ししても無理だと思うんですがね。