雲一つ無い秋空の様子。真っ青な秋空をいいます。
【秋】は、禾+龜+灬 を組み合わせた会意文字です。
「禾」は、イネを表わします。
「龜」は、「いなご」などの虫の形です。「カメ」を表わす字と同じになりましたが、
甲骨文字では虫の形をしています。
「灬」は、火を表します。
秋になると蝗(いなご)などのイネにとっての害虫が大量に発生して穀物を食い、被害を
受けるので、蝗などの虫を火で焼いて、豊作を祈る儀式をしたようです。その儀式を
表わす字が『龝:正しくは龜の下に灬がきます』となりました。「みのり」の意味です。
のち虫の形の「龜」が省略されて「火」だけを残して、いまの【秋】になりました。
いまの【秋】になる一歩手前の「あき」を表わす字は【龝】、【穐】でした。
大相撲の『センシュウラク』の幟(のぼり)に【穐】の字が使われて、『千穐楽』を見ることが
あります。
【碧】は、「石」を部首とした形声文字です。音符号は「白:ハク」です。
光沢のある玉のような石、青い色の美しい石が原義としまして、「みどり」、「あお」の
意味となりました。
【秋天一碧】という四字熟語は、中国古典では探しきれませんでした。
中島 敦の『李陵:リリョウ』にありました。
再び漢の地を踏むまいとは誓ったが、この匈奴の俗に化して終生安んじていられるかどうかは、新単于への
友情をもってしても、まださすがに自信がない。考えることの嫌いな彼は、イライラしてくると、
いつも独り駿馬を駆って曠野に飛び出す。
【秋天一碧】の下、嘎嘎(カツカツ)と蹄(ひづめ)の音を響かせて草原となく丘陵となく狂気のように
馬を駆けさせる。何十里かぶっとばした後、馬も人もようやく疲れてくると、高原の中の小川を求めて
その滸(ほとり)に下り、馬に飲(みず)かう。それから己は草の上に仰向けにねころんで快い疲労感に
ウットリと見上げる碧落(ヘキラク)の潔さ、高さ、広さ。ああ我もと天地間の一粒子のみ、なんぞまた
漢と胡とあらんやとふとそんな気のすることもある。
明治29(1895)年、富士山頂に野中測候所が開所しました。野中至が私財を投じて建設したもので、
現在の気象庁富士山測候所の前身です。
2004年10月以後は自動計測とななりました。
「富士山測候所記念日」です。