ぐずぐずして、物事の決断がにぶいこと、を表わす四字熟語です。
【優柔】は、ぐずぐずしてにえきらないようすを表わします。
【不断】は、決断の鈍いことを表わします。
【優】は、亻+憂 から作られた形声文字です。憂は喪に服して、頭に喪章をつけた人が哀しんで
佇(たたず)む姿です。【優】は、喪に服して哀しむ人の姿を表わした字です。
【優】のうれえ悲しむ姿・動作から「やさしい、しとやか、まさる、すぐれる、ゆたか」の意味に
用いられるようになったようです。
【柔】は、矛+木 から作られた会意文字です。矛は「ほこ」ではなく木を曲げた形で、折れない
しなやかな木の意味から、「やわらかい」の意味を表すようになりました。
【優柔】は、ユウジュウと韻のそろった畳韻(ジョウイン)の擬態語です。
【優】、【柔】は「やさしい」、「やわらかい」と言う意味で、【優柔】も「おだやかなようす」を
表わす熟語で、善い意味なのですが、「ためらう」、「ぐずぐずする」とマイナス方向へ
変化したようです。
【不】は、「はなぶさ」の形から作られた象形文字ですが、否定・打ち消しの「ず、しからず」の意味で
仮に借りて使われました。『六書』でいう「仮借:カシャ」用法です。
【断】は、【斷】が正字で、斤で機織り機にかけられた糸を二つに断ち切る形を表わした会意文字です。
【不断】は、断つことが無い、すなはちずうっとつづく、絶え間なく続くという意味になります。
それで結局【優柔不断】は、ぐずぐずしたようすが、絶え間なく続くということになります。
【優柔不断】の結果と言う訳ではありませんが、
避難勧告がもっと早く出されていれば、と思わずにはいられません。