【同病(ドウビョウ)相(あい)憐(あわ)れむ】と訓読みされて用いられます。
同じ病気や悩みを持って、苦しんでいる者は、互いに助け合い同情するものだということを表す四字熟語です。
『呉越春秋』闔閭(コウリョ)内伝にある故事です。
伍子胥(ゴシショ)曰く、われの怨みは伯嚭(ハクヒ)と同じなり。
伍子胥(ゴシショ)は言った。私の怨みは伯嚭と同じだ。
子河上の歌を聞かずや。
あなたは河上の歌を聞きませんでしたか。
同病相憐、同憂相救。
同病相憐れみ、同憂(ドウユウ)相(あい)救(すく)う。
同じ病気、同じ悩みをもつ人は、互いにいたわり同情し合う。
驚翔之鳥、相隨而集、
驚翔(キョウショウ)する鳥は、相(あい)随(したが)いて集(つど)い、
驚いて飛び立つ鳥はお互いによりそって集まり、
瀬下之水、因復倶流。
瀬の下の水は、因りて復た倶(とも)に流る。
瀬の下を流れる水は、元通りになってともに流れます。
伍子胥は楚の平王に父と兄を、伯嚭は父を殺されて、呉に逃れてきました。
復讐を心に秘めながらの【同病相憐れみ】が本意でした。
【同病相憐れんだ】、伍子胥と伯嚭でしたが、最後は伯嚭の讒言によって、伍子胥は呉王夫差から死を命じられました。
『呉越春秋』は、呉・越の興亡を記した後漢の趙曄(チヨウヨウ)による書です。10巻。
呉を内伝として、太伯(タイハク)から夫差(フサ)まで。越を外伝として無余(ムヨ)から句践(コウセン)までが記述されています。
『左氏伝』『国語』『史記』などと内容に異同があったりして、時代小説に近いものがあると言われています。