kill two birds with one stone. というイギリスのことわざの訳【一つの石で二羽の鳥を殺す】から【一石二鳥】の四字熟語となりました。
「一つのことをして、同時に二つの利益を得ること」という意味を持つ四字熟語です。
漢籍では【一箭双雕:イッセンソウチョウ】が【一石二鳥】と同義の四字熟語となります。
『隋書』長孫晟(チョウソンセイ)伝に見える故事によります。
北周の長孫晟が突厥(トッケツ)に滞在して、突厥の王と毎日狩りをしていました。
ある日二羽の鷲が飛んでいるのを見て、王が長孫晟に二本の矢を渡して射落とすように言いました。
たまたま二羽がつかみ合いをしていたので一本の矢で二羽を射とめました。
【一箭(一本の矢)双雕(二羽の鷲)】のエピソードです。
杜甫『哀江頭:アイコウトウ』の七言古詩にも同様の句が詠われています。
一箭正墮雙飛翼
一箭 まさに堕(おと)す 双飛翼(ソウヒヨク)
ただのひと矢で二羽の飛鳥が落ちてきた
の句です。
類義の四字熟語としまして【一挙両得:イッキョリョウトク】があります。
対義の故事成語としまして【虻蜂取らず】や【二兎を追う者は一兎をも得ず】があります。