武器は、しょせん人を殺す凶器であり、戦争は最後の手段です。
【兵】は、武器のことです。
春秋時代、越王勾践(コウセン)は、戦争の準備を呉王夫差(フサ)が整えているという噂を聞き、先制攻撃を企てました。それに対して忠臣の范蠡(ハンレイ)が次のように諌(いさ)めました。
夫(そ)れ勇は、逆徳なり。
勇気は、道理にそむいた行為です。
兵は凶器なり。
兵器は悪い道具です。
争ひは、事の末なり。
戦争は、最後の最後の手段です。
実際には、范蠡の忠告に逆らって、越王句踐は呉王夫差に戦いをしかけ、敗北してしまいます。
その結果生まれたのが【臥薪嘗胆:ガシンショウタン。今日の四字熟語 No.25】です。
以上は『国語』越語下、『史記』越王勾践世家に記載があるエピソードです。
また『尉繚子:ウツリョウシ』兵令上第二十三には
【兵は凶器なり。争いは逆徳なり】の記載があります。
広島に原爆投下された3日後、8月9日午前11時ごろ、米軍のB29爆撃機「ボックスカー」がプルトニウム原爆「ファットマン」を長崎市に投下しました。
約7万4千人の市民が死亡、約7万5千人が重軽傷を負いました。
アメリカでは、原爆を投下したB29爆撃機の乗組員は英雄扱いだそうです。
人殺しが英雄とは、・・・・。