【大いに驚きて色を失う】と訓読みされまして、非常に驚いて顔色が青ざめてしまうことを言います。
【大驚】は、大いに驚くことですが、恐れて顔色が青ざめるほどの驚愕を表わします。
【失色】は、顔色を無くすることから、顔色が青ざめる様子を言います。
殷の第30代紂王は暴虐な政治を行なった帝とされ、周の武王に滅ぼされました。
紂王の親戚に箕子(キシ)と比干(ヒカン)という賢人がいました。
箕子は、贅沢をやめるように諫言(カンゲン)しましたが、まったく聞き入れてくれませんでした。、
比干(紂のおじ)は当時行われていた炮烙(ホウラク)の刑をやめるように諫言しました。
紂王は怒って、「聖人の心臓には七つの竅(あな)が開いていると聞いている」、と言って
比干は心臓を抉り出されて死んでしまいました。
【大驚失色】した箕子は狂気をよそおって奴隷に身を落としました。